【あれば欲しいのに、誰もつくっていないもの、それこそつくれば入れ食い商品やサービスです】
《カップヌードルも尻尾のないエビフライも発想は同じだった》
顕在化している欲求に対して、潜在化している商品やサービスがある。
情報資本主義の今、過去のトレードオフというシンプルな商品、サービス開発の失敗の中に、新たなヒントを学ぼう。
流通業のプライベート開発黎明期の1980年代。
記憶に残る商品があります。
一つは「シッポのないエビフライ」です。
エビフライでシッポまで食べる人は少ないですが、シッポがないエビフライは食べやすく、値段も安いと思った商品でした。
廃棄されそうな原材料の活用と思えたのですが、現状は姿を消しました。
もう一つはジャンボ石鹸です。
石鹸って小さくなると新しい石鹸にペッタンと貼って使っていたのですが、その前にツルッと滑って排水口へ流れていってしまい、もったいないことをした経験から、、、大きめに作ろうと思って開発されました。
しかし、発想とは裏腹に使いづらいということで逆にカットされて利用されるなど、本来の使用目的とはズレてしまいました。
当時のバイヤーやマーチャンダイザーと言われる人がまだ若く、奥様の年齢も若かったということがあります。
その典型が杉の木で、できた風呂スノコでした。
杉の木は節(ふし)が多く、風呂スノコとしは節のない合成材が使われていました。
しかし、これを開発したバイヤーは家で実験をし、職場でも実験をして耐用可能と判断したのです。
世の中には、相撲取りのような体型の奥様方もいっらしゃると考えるのが普通です。
結果はクレームの嵐でした。
ケツに刺さった痛みは強烈です(笑)
十分な耐久テストが行われない時代の笑い話みたいな本当の話です。
今の流通のプライベートブランドが認知されるには、それから30年以上も時間を要したというのが事実です。
世界中のプライベートブランドのシェア率は20%を超えています。
それだけ、流通業の信頼が高いという歴史があるということになります。
メーカーも消費者へのマーケティングをしっかりやって良い商品を作ろうと思って研究開発しているのです。
先日、トイレットペーパーの幅を9ミリ短くした商品を開発したと聞きました。
その9ミリのコスト削減にギリギリのトレードオフによる商品開発を感じました。
我々は本当のメーカーにはなりえません。
しかし、我々はコーディネートする立場にあると思います。
BMSで結集し、コラボすることでその役割を推進していきたいと思います。