BMSビジネスヒント 033
< ちょっと怖い話 >
「いかがですか?お店?」
大変だ、大変だ。
「そうですね」
客は以前より少なくなるは、なかなかお薦めしても受け入れてくれないし、広告費用は高いし、スタッフが業務委託に転身し他所(よそ)に移るは、やっとの思いで新人を採用しても長続きしない。
「そろそろ支店締めなきゃな」なんて思われている方も多いんではないですか?
まあ、支店閉鎖しても本店が残る人はいいですよ。中には1店舗をようやく持ったのに,それが閉鎖(倒産)になってしまう人もいるんですから。
「なんですか?」
「これからもっとそういうところが増える?」
「ほ〜〜そうですか」
「そうそうお節介かもしれませんが言っておきますね」
「営業権を譲渡する?」
「そんなの宝くじの当選番号を当てるようなものでしょう」
潰れる店の営業権なんて0なんです。
「それよりも現状復帰するのに大金がかかるんですよ」
「それも立派に作っていればいるほどね」
仮に居抜き物件として内装、設備を売りたいと考えたら、いくらぐらいの値を付けますか?
「1000万内装にかけたし、300万かけた器具も新品同様」
「500万では売りたいな?」
「はっ、は、は、笑わせないでくださいよ」
仮にその値段を提示しても、人の良い、頭の悪い買い手であっても提示した値段の半値、八掛け、二割引。
これ計算すると提示額の32%、だから160万円ってとこかな?
賢い人は、交渉を長引かせます。
そしてどんどん体力が弱るのを待つんです。
最後「もうただでいいから」と言うのを待つんです。
「じ〜と待つんです」「ニコニコしながらじ〜と待つんです」
ただ他所(よそ)に売られたら困るので,買う気満々の姿勢を見せ、やれ社長の決裁が、銀行の融資がと言って売り手を自分から離れないようにするんです。
そしてだんだん、だんだん苦しくなって売り手は、
「値段を下げるからすぐ決めてくれ」と言って値引きをはじめるんです。
しかしそれでも買いません。
だって、もう時間の問題なんですから。
売り手はげっそり痩せコケて一二ヶ月したら、こう言うんです。
「ただでいいから引き継いでくれ」「お願いします」
そして買い手は笑顔で「わかりました、引き受けてあげましょう」と恩を着せて店を手に入れるんです。
だってそうでしょう。だれかに引き継いでもらわなければ店の現状復帰に相当な費用がかかるんですから。
豪華な店になればなるほど撤退に費用がかかるんです。
ぞっとしませんか?
これ現実なんですよ。
飲食の世界では、こうした撤退物件を専門に出店して高い収益を上げている企業があるんです。
そうそう、ご存じないかもしれませんが、すでにこうした方法で店舗を拡大している美容室企業もあるんですよ。
出店コストを落とす。企業としては当たり前のことじゃないですか。
同様に撤退コストも考えておかなければならないんです。
「内装にこだわった?」「家具に金かけた?」
それがどれほど恐ろしいモノか、経営を知らないからゲームや博打のようなことをするんです。
経営は仮想空間ではなく現実空間に存在するモノなのです。
こうならないために経営の原理原則を学ぶんです。
無知は恥ではない。
学べば済むこと。
むしろ恥じるべきは学びを放棄する事なんです。
そのために経営の基本を学び、発展する会社を造るんです。
どうぞ経営実践研究団体BMSの入会し、壮大なロマンを抱き,
この業界を牽引するような立派な会社を造ってください。
BMS主宰 カットルームグループ代表
橋本憲夫