【売上を下げても利益をとるという大手企業の実例・“ムダを省き、無理をしない”これが経営の原則原則】
あなたは何で売上、売上と馬鹿の一つ覚えじゃないけど、売上にこだわるんですか。
売上は大事、しかし利益はもっと大事。
売上を強く意識するのに、利益については無頓着。
売上があがれば利益は増える“だから売上なんだ”と思い込んでいませんか。
だから経費が嵩(かさ)むんです。
カジュアル料金店を“薄利多売”とやゆしますが、利益に対して無頓着な経営こそ恥ずかしいことなんです。
自慢すべきは売上じゃないんですよ。
客単価じゃないんですよ。
利益なんです。
企業は付加価値を仕組みでつくり、そこから利益を得るんです。
お客様が70円で仕入れたものを100円で買ってくだされば、この差額の30円が付加価値です。
この付加価値を生み出すために企業はコストをかけます。
賃料や人件費や販売促進費などの経費です。
そして残ったものが利益なんです。
だから売上だけを追ってもダメなんです。
売上自慢も客単価自慢も意味ないのです。
だって儲ける(利益を出す)ために経営しているんでしょう。
1店舗で1,000万円売上があろうと、客単価が1万円であろうと利益が出ないなら意味がないじゃないですか。
成長企業は1店舗の売上を下げても近隣に店舗出店して、店舗当たりの収益力を維持または向上させたりするんです。
インクの染みが重なり合うような点ではない面で出店していくやり方をインクプロッド出店と言います。
そして、経営用語では“ドミナント出店戦略”と言います。
コンビニエンスストアで、行列が出来たらストアコンセプトのコンビニエンス=便利じゃなくなちゃうし。
レジを増やすとスタッフを集めるため、求人コストや時給も上がる。
店を増床すると駐車場が狭くなってお客さまに不便を強いることになるんです。
売上はあがっても、かかる費用が増えたり、それによってお客さまに不便を強いるようになったら、マイナスに作用するんです。
だから一定の売上、利益が確保出来たら、それ以上その店の売上を無理に上げようとせず近隣に新たな店を出すんです。
近隣に同じような店を出せば、最初の店のお客様にとって近くて便利になり、それまで来ていなかったお客様とも出逢うんです。
あなたはなんで1店舗にこだわり、その売上をムダに上げようとするんですか?
売上=荒利益高ではないですよ。
荒利益高(生み出す付加価値)=人時生産性✖︎総人時(スッタフ数✖総労働時間) なんです。
成長している会社は1店舗の売上を自慢しません。
常に事業全体を捉え、店舗の標準化を押し進めるのです。
ここでいう標準化とは、お客さまにとって良い店、働くスタッフにとって良い店、そして会社にとって良い店なんです。
無理な売上増はお客さまに迷惑がかかるんです。
スタッフにも負担をかけるんです。
余分な費用もかかるんです。
だからムダな売り上げなんです。
ムダをしないから計画通りにコトを進めることができるんですよ。
計画通りにコトが進むから利益が最大化されるんです。
マスコミが1店舗の驚異的な売上の店と話題づくりをしますが、チェーン経営では成功店とは評価しません。
個人の独創的なアイデアや成功例だけではチェーン化経営は出来ません。
評価されるのは、少なくとも100店舗を超えた時です。
単純化、標準化、差異化という仕組みがない個人のガンバリズムやパフォーマンスだけでつくる1店の売上に目を向けるのではなく、地味だが、急速に店数を増やしているシステムや仕組みを学ぶことです。
成長しているチェーン店というのは、地域のシェア率と店舗の収益力を考えて、サービスクオリティを維持するためにあえて1店舗の売上を一定に保つようコントロールしているのです。
ムダを省き、無理をしない、これが経営の原則原則なんです。