【ヘアカラーの新潮流その6】
《生産性を高める抜本的なことは作業をやめること》
チェーンストアの原理原則では、作業種類の削減、やり方の単純化を進めサービスの標準化を図ります。
この標準化されたサービスの常態こそが他店との差異化なのです。
あそこの店は、いつ行っても、だれが担当しても・・・。
それをサービスクオリティが高いと言うのです。
では、美容サロンのヘアカラーに対してどのような標準化を図ればいいのでしょうか?
ひとつは時間です。
カラーの施術は、お客さまにとって決して快適なものではありません。
カラー剤を塗布された感触、カラー剤の臭い、皮膚への刺激など、できることなら短時間で解放されたい。
それがお客さまの本音です。
そのためヘアカラー施術の苦痛からお客さまを少しでも早く解放することに取り組み、お客さまが評価する(他店との違いを感じるレベル)標準時間を設定することです。
例えば“60分仕上げ”といったモノです。
その標準時間を前提に“人、道具(機械)、工程、材料、方法”について見直すのです。
作業種類の削減、単純化についてです。
60分仕上げを約束出来れば、強い売りになりますよ。
次に標準化すべきは仕上がりのクオリティです。
カラーの仕上りのクオリティは、お客さまが希望する明るさ、色味をしっかりと染め上げるということです。
言うまでもありませんがお客さまからのクレームの大半は、染めムラや希望した明るさ、色味との違い、そしてカラーのモチ(退色)です。
これらはカラーの薬剤に負うところであり、こうした観点からカラー剤を吟味することです。
カラー剤の選定のキーワードは
“安全”
“快適”
“確実”
“安心”
そして“コスト”です。
“安全”は言うに及ばず、
”快適”は施術臭や刺激への配慮、作業の時間短縮です。
“確実”は基本に忠実な技術です。
必要なところに、必要な量を塗布し、必要な時間を放置する。
そして、
“安心”はスタッフが自信をもって施術できる単純化された作業性です。
これらが満たされて、はじめてコストを考えるのです。
① カラー施術の時間短縮に寄与する薬剤
② お客さまの不快な部分を解決する薬剤
③ だれでもマスターできる基本技術
④ 単純な操作性
そして最後に
⑤コストパフォマンスです。
①と②の主体はお客さまです。
③と④の主体は現場です。
そして
⑤の主体は経営です。
①から⑤は、薬剤選定の優先順位を表しています。お客さまを第1に考え、現場、経営という順でモノゴトを判断するのです。
その7で
少しですがカットルームカラーについて記します。
続く