【 多くの美容サロンオーナーは現状を肯定するが異業種起業家は現状否定からモノゴトを組み立てる 】

【 多くの美容サロンオーナーは現状を肯定するが異業種起業家は現状否定からモノゴトを組み立てる 】

改善や改革は、現状肯定からは生まれません。

改善とは、現時点を「悪い」とし、それを「善し」とする方向に改める行為。

よく使う言葉では、業績改善、待遇改善

本来あるべき状態とは異なる状態に気づき、理想の状態に近づけていくことが改善行動です。

すなわち現状に対して問題意識が無ければ改善には至りません。

わたしは異業種からこの業界に参入しました。

当然、技術等も持っていません。

持っていたのは、この業界の可能性を信じる気持と生まれ持った負けん気です。

異業種からの新規参入の勝機は現状を否定し、改善、改革をもって他との差異化を武器に勝負に挑むことです。

「どこか改善の余地はないか」あるいは「どうしたらもっと良くなるか」
発想の原点は現状を善しとするのではなく、悪いと捉え、理想を定義し現実とのギャップを埋める方法を考えるのです。

わたしは、この業界の実情を知ったとき、教わってきた近代的な流通のあり方との違いに、これはチャンスだと小躍りしました。

今日でこそ流通は多くの巨大企業が存在する一大産業として認められていますが戦後、百貨店を除いた小売店の実情は生業としての零細店ばかりで、消費財の末端配給としての業種店しか存在していませんでした。

それが欧米のチェーンストア経営を学び、一部の先鋭的な経営者が積極的に取り入れた結果、流通を一大産業として押し上げた歴史があるのです。

流通を専門に学び、独立後コンサルタントとして指導してきた経験を持っていた私は、美容サロンの実情が戦後の小売りの世界と重なりました。

美容サロンのあり方には、改善の余地はある。改革の余地はある。

それによって弱者の新規参入でも勝負になると思えたのです。

幾度も記したアフリカで靴を売ると言う話し。

素足で過ごす人を見て普通の営業マンなら売り先が無いと判断するのでしょう。

この営業マンは、靴は文明人が履くモノという思い込みから素足で生活する人たちは靴を必要としないと判断したのです。

それに対してもう一方の営業マンは、そうした既成概念に囚われること無く、靴の利点を考え素足で生活する人こそ靴が必要だと判断したのです。

要はモノゴトをどう捉えるかです。

例えば美容室における人手不足の問題。

人手が足りないという言葉をよく耳にします。

このときにどれだけの仕事量に対してどれだけの人員が不足しているかを定量的に把握しているでしょうか。

時間帯別、曜日別に稼働している時間を計測することが定量的な判断には必要なのです。

お客が集中する土日は、猫の手も借りたい状態でも平日は手が余っている。

それを土日だけを考えて人手不足と思っているサロンも多いのではないでしょうか。

結果1ヶ月均してみると不足どころか余剰人員を抱え、労働分配率に負荷がかかっているサロンもあるようです。

サロンにおける一番のコストは人件費です。

不足も問題ですが過剰は大問題です。

他の産業では、こうしたアンバランスを無くすためにミニマム管理が普通です。

一番人手がかからない状態から不足している時間帯に人員を勤務させるというやり方です。

“人に作業をつける”から“作業に人をつける”という発想です。

求人強化といっても相手のあること、思い通りにコトが進むわけではありません。

ましてやこれから労働人口が減っていくことを考えれば、採用の難易度は更に上がります。

では、どうするか。

まず仕事の作業を分析し、仕事量を定量把握するのです。

定量把握の結果、確保している人員では、賄えない仕事量が労働力の不足であり、それを補うためにパートタイマーを活用するのです。パートタイマーの雇用は調整弁です。

そして、フルタイムは変形労働時間制を採用し、6時間勤務や10時間勤務と働く時間と出勤時間、退勤時間を柔軟に使うことがパート活用と合わせて有効となります。

また平行して作業においてはメニュー数(作業種類)をばっさり削除することや代替えを探すことも大事です。

人手不足の本当の要因は、スタッフの稼働限界を越えた作業量です。

メニュー(作業種類)を削減すればそのメニューの作業量はゼロになります。それによっても人員不足は解消に向います。

そのためにメニュー数(作業種類)削減や代替え手段の活用や仕事の効率化を図るのです。

その一つの例が業界に先駆けて手掛けたカットルームのセルフブロー(スタイリング)というシステムです。

これは流通の世界では当たり前です。

お客さまの手を借りることでスタッフの作業量を軽減し、それによって人員不足を解消するのです。

その他にも作業工程を見直し、無駄な動きを排除したり、時短を意図して技術改良をしたり、人に委ねている作業を軽減する方法は山ほどあります。

要は、どこを見て人手不足と思っているのか、どれだけ不足しているのかを定量的に見極めているのか。

そして、それは現在の作業や業務を見直すことで解決することはできなのか。

すなわち起きている事象をどのように捉えるのか。

そして何が問題かを見極め、必要な手だてを講ずる。

これが改善なのです。

レイバースケジューリングシステムこそ、理美容サロンの改善に必要だと思います。

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経営の原理原則は、すでに近代化した産業の歴史や事例の中に存在するのです。

手探り経営からの脱却、

“経営には原理原則がある” 共に學び成長していきたいと思います。
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