EDLP政策

【多くの美容師オーナーはキャンペーンで、集客を図ろうとするが、異業種起業家は”EDLP(毎日安値)政策”とニューフォーマットを徹底することで収益力を高めようとする】

本日の日経MJに、チラシで呼び込むドラッグストアの“ハイ&ロー”に対するEDLP政策の記事が興味深い内容でしたので、ご紹介します。

《ローコスト徹底、稼ぐ力ダントツ
特売・ポイントカード無し》
日経MJ フロント (1ページ)
2017/7/31 2:00
コスモス薬品の勢いが止まらない。2017年5月期の売上高は前期比12.4%増の5027億円。9期連続で増収増益を確保し、売上高は初めて5千億円を超えた。ドラッグストア業界で5番手に位置し、全国展開する上位企業に比べ店舗数は約半分。個店の稼ぐ力はダントツだ。強さの源泉は毎日安値(EDLP)政策と、食品で稼ぐモデルの徹底にある。

 365日毎日安い!――。福岡県筑紫野市にある「コスモス薬品紫店」。店舗の外壁、さらに店内にも大きくこの文字が踊る。

安さの秘密は徹底したローコスト経営にある。コスモス薬品の売上高に対する販売管理費の比率はわずか15%。日経MJが実施した16年度専門店調査によると「ドラッグストア・医薬品」の販管費比率は21.2%で、「総合ディスカウントストア」も18.1%にとどまる。食品スーパーでは25%超も珍しくない。

ここまで販管費を抑えられるのはなぜか。

コスモス薬品では特売をせず、ポイントカードもない。スーパーやドラッグストアでは特売日やポイント10倍デーなどを設けることで、売り上げを持ち上げるのが常とう手段。だがこうした施策は売り上げの山を作ると同時に販管費の山にもなる。

ポイント還元の原資としての販促費、特売売り場の設置や値札の張り替えにともなう人件費増、特売日のレジや品だし対応の人員増――。稼ぎもいいが、カネもかかるのが特売やポイント還元だ。

コスモス薬品はEDLPを徹底することで、売り上げの山も経費の山も作らない。店内作業は年間を通じて平準化され、店舗運営に必要な人員も少なくてすむ。同社の1店当たりの平均売上高は年6億円強で、この規模の店舗で必要な従業員数は18人(8時間換算)。同規模の食品スーパーに比べると半分以下の人員だ。

このほか集中出店による物流効率化も加わり、同社の価格競争力を高めている。

「コスモスはドラッグストアだと思っていない。スーパーだ」。ドラッグストア大手幹部はコスモス薬品についてこう語る。その理由がコスモス薬品のもう一つの特徴にある。食品の売上比率の高さだ。コスモス薬品では食品が占める比率は56%で、最大手のウエルシアホールディングスの21%やマツモトキヨシホールディングスの10%を大きく引き離す。

食品は医薬品や化粧品に比べ、購買頻度が高い。駅近くや商店街などの都市部に展開するドラッグストアは医薬品や化粧品がメインだが、郊外型のコスモス薬品は食品の扱いを増やすことで来店頻度を高める。

ローコストに裏付けされたEDLPと、食品で稼ぐ店づくりを武器に店舗網の拡大を続ける。1993年にドラッグストア業態の出店を始めた同社は九州地方でドミナントを形成すると、04年に中国地方、05年に四国、10年に関西への進出を果たし、16年には関ケ原を突破した。

現在の店舗数は800店を超え、今後は北陸地方や名古屋へと店舗網を広げる計画だ。さらに20年の東京五輪以降には、関東進出をめざす。関東でも台風の目となりそうだ。

(今井拓也)

他業種、他の業界と思わず、新しいビジネスモデルのベンチマークとして、取り入れていきたいと思います。

このEDLPは20年前のチェーンストア経営の戦術として、多くの企業がチャレンジしているものですが、チラシの呪縛霊から脱却出来ないジレンマがあります。

新興勢力はいつも垣根を超えた別業界から現れます。

我々も逆にそうした新興勢力として他業界からマーケットをロビングするニューフォーマットを構築しようではありませんか。

経営実践研究会B.M.Sは、共に学び、共に実践し、美容ビジネスの新たな潮流を生み出していく会です。