【真空マーケットを狙えその1】
《スーパーストアMD》
山形市にもサイクルベース あさひ という大型の自転車専門店がオープンした。
雪国では冬場自転車乗る人が珍しいため、ホームセンターなどでも在庫整理します。
そうした地域にも関わらず、出店してきた背景にチェーンストアの経営理念を感じます。
小さな自転車屋さんを20年やった後、その後20年で一気に200店舗の日本一の自転車チェーン店になりました。
それから5年で、その店数は2倍の400店舗を超えました。
創業者の下田氏は大阪で親子2代で玩具店を営んでいたが、大型の総合小売店が出店してからはお客様が来ない辛い毎日が続いた。
お客様が来てくれない体験から「お客様がどんどんきてくれる会社、世の中に必要とされる会社になろう」と決意した。
玩具店から自転車店に転業して、技術を磨き20年で、人気の自転車店になりました。
斜陽産業と言われた自転車の世界で、「郊外の大型自転車専門店」という新業態へチャレンジして、20年間1店舗から次の20年は200店舗へ。そして、25年で400店舗へとチェーン展開を成し遂げました。
その原動力はまさにチェーンストア経営の原理原則でした。
創業者の下田氏が特別の才能があったわけではありません。
業種転換、業態転換と経営者としての経営戦略“時流にあった乗り物”への改革の決断を実行した勇気ではないでしょうか。
①入りやすいお店であること
・陳列と掃除のプロ
②あいさつが明るく元気に出来ること
・お客様の要望には絶対にノーと言わない接客応対
③お客様が納得する安さを実現すること
・アフターサービスを含めて利益のでる合理的安さを追求
・修理、整備の技術を磨く
斜陽業種とさえ言われた日本の自転車小売店で、40歳から日本一の自転車専店チェーンをつくりあげた実話です。
これをスーパーストアMD(マーチャンダイジング)と呼びます。
小売業の売上は坪販売効率×売場面積という公式です。
坪効率を追求したMDがセブンイレブンです。
多くの小売業は坪効率より売場面積を広げるMDを採用しました。
自転車屋という従来のメーカー系列(ナショナル自転車やブリジストン自転車)から並列の大型業態店へと転換したからです。
サイクルベースあさひ
ライバルはいない真空マーケットを手に入れたのです。
それは従来からある業種店だらけの自転車屋ではない、大型自転車専門店という店舗面積の大型化という原理原則によってでした。
同質競争から差異化そして、独創化。
それが中小企業が唯一のビッグになるための原理原則です。