異業種起業家は“経営戦略の中に技術”を位置づける

【多くの美容師オーナーは“技術”という手段に目を向けるが、異業種起業家は“経営戦略の中に技術”を位置づける】

大切なのは、なんのために?
技術力が上がれば売上が上がる。
技術力が上がれば利益が増える。
この論理は、一見正しいようで論理不整合です。
売上も利益も決定する要因は“技術”だけではありません。
さまざまな要因が加わり、売上が上がる、利益が増えるという結果に至るのです。
経営を考える上においては、手段ありきではなく目的ありきでコトを進めるのが基本です。
◯◯するために◯◯する。
その根幹を成すモノが経営戦略であり、その内容は業種・フォーマットの選択と投資の仕方です。
どのような店で何に力を入れるか。
戦略とは、明確な目的を持った広義の意味での“品揃えの基本方針”と捉えるとわかりやすいと思います。
対象顧客を明確にし、その対象顧客が喜ぶ商品(サービス)を品揃え、継続性を保つために商品(サービス)の提供の仕方に特色を持たせる。
美容サロンの場合、お客さまとの接点は、提供する商品(サービス)とそれを担う人です。
どのような商品(サービス)をどのような人がどのように提供するか。これが美容サロンにおける品揃えです。
このような考えの元に当社では、技術をサービスの関わる作業の仕方と位置づけています。
そして結果に対して定量的に評価を加え、そのサービスの善し悪しを評価し、常に改善を加えています。
お客さまが喜ぶ = 売上が上がる 利益が増える
売上高規模も純益高も、つまり品揃えのあり方で決まってしまうのです。
売る立場、サービスする立場でなく、買う立場、サービスされる立場、お客様の立場の結果から逆算して品揃えを決めるのです。


当社の技術は、お客さまが喜ぶモノであり、その結果売上が上がったり、利益が増えたりするモノなのです。
これを経営技術の角度で品揃えを捉えてみると、
①サービスの売価
②サービスの品質
③サービスメニュー数
④サービスを提供する人の能力
⑤サービスの演出
⑥サービスの分類
⑦それを入れる店舗の面積
⑧その店舗の立地
と分けられます。
このことさえわかっていれば、売上が伸び悩むときにこの8点を再点検し問題箇所を改善していけばいいのです。
しかし大半の場合、こうした点に目を向けず、問題をスタッフの努力不足としたり、資質の問題として捉えたりするケースが多いのではないでしょうか。
そして販売促進とか広告とか、特売(値引き)とか接客応対の強化といった同質化の方策を繰り返しているのではないでしょうか。
先に記した経営の角度から捉えた品揃えの理屈、つまり各種法則は美容サロンを経営する人なら理解できるはずです。
しかし現実は実際の観察や分析や判断には活用されないのが一般的のようです。
それは原理や原則を上辺の知識として軽んじ、我流や業界の誤った情報を信じる気持があるからではないでしょうか。
『優れた技術者は基本を重んじる』
それは、そこに原理原則があるからです。
経営も同じです。
基本を重んじて、原理原則を踏まえてコトに当たる。
業績が頭打ちになったとしても原理原則を信じて、その通りに実行すれば、闇雲に経営に悩むことは無いのです。
原理原則さえ理解していれば頭打ちになった原因が一目でわかり、なにに取り組むべきかが明確になります。
そして手段を講ずるのです。
理論のない行動は、経験が生かされません。
たまたま上手くいったとしても次には繋がらないのです。
私が原理原則と口を酸っぱくして言い続けるのは、事業はその場の隆盛ではなく、永続的な発展に向かっていかなくてはならないと考えているからです。
技術は大事、しかしその前に「なぜ?」という理屈が無ければならないのではないでしょうか。
すべての活動は目的とセットされていなければならないのです。
経営実践研究会B.M.Sは、共に学び、共に実践し、美容ビジネスの新たな潮流を生み出していく会です。